施設概要

建築家 村野藤吾・木彫芸術家 澤田政廣・造園家 中根金作
3人の巨匠の技がここに結集。

翡翠園

ヒスイ原石を配置した本格的日本庭園

h翡翠園_全体画像

歩いて愉しむ日本庭園

  • 1978年に開園。お城のような石垣の横の石段を上り、玄関をくぐると、正面にコバルト色の70tのヒスイ原石が目に入ります。
  • 敷地面積1万7千平方メートル、松林を背景に三つの滝、池、曲水をもって構成されており、巨石と数多くの石を使用した豪壮で優雅な回遊式庭園です。
  • 春は紅梅白梅から始まり、新緑、さつきと続き、梅雨の苔、秋のドウダンツツジやもみじの紅葉、雪景色と、季節ごとに変化する景観が見事です。
  • 散策しながら、四季折々の風景をお愉しみください。

ひすい美術館

  • 園内には、糸魚川産ヒスイや世界各地のヒスイの彫刻作品を間近に鑑賞できるひすい美術館が併設されています。

玉翠園

谷村美術館に隣接した広大な日本庭園

眺めて愉しむ日本庭園

  • 1981年に開園。谷村美術館に隣接する玉翠園は、山間から流れる二本の川、遠くの山並みを借景し、庭園の築山と結びつけ、広大で閑静、風流な趣を見せてくれる観賞式庭園です。
  • 入口には、自然石の大観音像(全長8m、約90t)が立てられています。
  • 四季のうつろいを、まるで一幅の絵画のように室内から眺めて愉しむことができます。
  • 日々刻々と変化する庭園を眺めながら、ヒスイのテーブルでごゆっくり癒しの時間をご堪能ください。
  • カフェやショップもご利用いただけます。

日本庭園 翡翠園と玉翠園

  • 庭園は、「昭和の小堀遠州」と称えられた造園の権威、中根金作氏(元大阪芸術大学学長)の設計・監督によるものです。
  • 生涯現場主義を貫き、「大地に絵を描くように」卓越した自然風景を作り上げています。
造園家 中根金作について

中根 金作(Kinsaku Nakane)
1917年 静岡県磐田市生まれ
東京造園学校(現・東京農業大学)卒業
1978年 翡翠園 作庭
1981年 玉翠園 作庭
1994年 正五位勲三等瑞宝章 受章
1995年 逝去
国内および海外にて数多くの庭園を作庭

谷村美術館

村野藤吾設計による澤田政廣作品展示館

t谷村美術館_全体画像

シルクロードの遺跡をイメージ

  • 1983年に開館。日本最高峰の木彫芸術家 澤田政廣氏の仏像「金剛王菩薩」「光明佛身」「彌勒菩薩」等10点を展示した澤田政廣作品展示館です。
  • 設計は、建築界の巨匠 村野藤吾氏最晩年の建築物です。
  • 入口を抜けると、荒涼とした砂漠の中に、シルクロードの遺跡、敦煌の石窟寺を思わせる建物が出現します。
  • そこへ一直線に延びる日本風回廊を美術館へと進みます。
  • 館内には、湾曲した半円形の部屋、洞くつのような部屋の中に作品が展示されています。
  • 作品を引き立たせるための自然の光と人工照明が織りなす光と影は、天候や時刻によって違った表情を見ることができます。また、作品と見る者を優しく包む空間は、静寂の中に落ち着きを感じさせてくれます。
t谷村美術館_館内画像
光と影が織りなす美術館
鑑賞のポイント≪建築物自体も一つの芸術作品≫
  • 作品一つ一つのための部屋、ここには、作品の入れ替えをしないという特殊な前提があります。「糸魚川は私の現場だ」として、建築にかけた村野氏最晩年の強い想いが感じられます。また、建物の外壁も黒ずんできています。村野氏が期待した経年変化、「砂漠の中の遺跡」を強く感じさせてくれます。
  • 館に残されている設計図は50枚、中には村野氏直筆の詳細な指示が書き込まれている図面もあります。大きく6つに分かれる部屋は、部分模型を使い、光の入り方を折に触れ、検討を加えていた姿が偲ばれます。
  • このような不定形の建物、現場でのやり直しが多いという難工事を施工したのが谷村建設。その初代社長・谷村繁雄氏と澤田氏、村野氏との個人的な出会いと結びつきが、他に類を見ない、日本の建築界と彫刻界をリードしたお二人の魂の結晶ともいえる「谷村美術館」を造りあげたと言えます。
建築家 村野藤吾について
村野 藤吾(Togo Murano)
1891年 佐賀県唐津市生まれ
早稲田大学建築学科を27歳で卒業
1967年 文化勲章 受章
1983年 谷村美術館を設計・監理
1984年 逝去
宇部市渡辺翁記念会館、広島市世界平和記念聖堂が重要文化財に指定

木彫芸術家 澤田政廣について
澤田 政廣(Seiko Sawada)
1894年 静岡県熱海市生まれ
19歳で彫刻家を志し、高村光雲の高弟・山本瑞雲に師事
1979年 文化勲章 受章
1983年 谷村美術館 開館
1988年 逝去
「華炎」(’32年作品)、「赤童子」(’46年作品)、「五木の精」(’52年作品)、政府買い上げ